チベット密教の荘厳な世界を描くタンカの伝統技法、カルマ・ガディ派を受け継ぐタンカ絵師西 洋児の描いた作品を、高精細・高品質で再現した複製画の販売をしています。
8世紀、チベットに密教を伝えたグル・リンポチェの八大変化身の一つで、一面二臂の忿怒の尊格グル・ドルジェ・ドルを描いたタンカの高精細複製画です。グル・ドルジェ・ドルは倫理を越えた洞察力と慈悲を持ち、惰弱と固執を悟りの行為へと変えると言われています。
巻いた髪、燃え盛る炎のような眉や髭、額には智慧の第三の眼、鋭い牙で下唇を噛みしめ、大きく見開いた眼で敵を睨みつける激しい忿怒の表情で、右手にはドルジェ(金剛杵)を振りかざし、左手には、憤怒の三面とドルジェ(金剛杵)で飾られた柄を持つ隕石でできたプルバ(厥)の鋭い切っ先を敵の心臓に向け威嚇し、そのプルバを持つ手の指先からは黒い鉄サソリが現れています。
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伝統的なタンカの制作には非常に多大な時間を要します。
深い意味を含んだ尊格の様々に異なる複雑な様相、それを美しく飾る細密な装飾デザイン、そして無数の微細な線や点によって陰影を表現する滑らかなグラデーション。
タンカ絵師は、こういった手間のかかる緻密な作業を手早くこなしていく法を長年の経験の中から会得しますが、やはり細かく描写すればそれだけより多くの時間を費やさざるを得ません。多大な制作時間をかけることだけがタンカの品質を確実にするものではなく、時間をかけたものが良いタンカではないのですが、良いタンカを制作するには必然時間がかかるということはできるでしょう。
当サイトで複製画を販売している元となる原画の多くは、細部にわたる完璧さが全体の完成を生み出すという信念のもとに、数百時間から数千時間をかけて制作されたものです。
そのために、印刷には細部の描写を失うことのないよう滑らかで、タンカと同じようなマットな仕上げの厚手のアーカイブコットン紙を使用し、幾度も色校正を重ねて、鉱物や植物など自然界から得られる美しい色を用いて彩色されたタンカの輝きや細部の描写を余すことなく、できる限り原画に近く再現するために最善を尽くしました。
私たちの制作するタンカの複製が、仏教修行者の毎日の観想の役に立つこと、また見る人の興味を呼び覚まし、このチベット仏教の神聖な芸術を通して仏教との良縁を結ぶ一助になり得ることを願っています。