チベット密教の荘厳な世界を描くタンカの伝統技法、カルマ・ガディ派を受け継ぐタンカ絵師西 洋児の描いた作品を、高精細・高品質で再現した複製画の販売をしています。
プルバ、またはプルパは多くの尊格の持物としてタンカにも描かれる法具で、密教の儀式や修行のなかで場を清め結界を張り、修行においては”負のエネルギー”を浄化し、また"魔"を身動きが取れないように刺し留めるといった強力な密教法具です。
プルバの形状は、それぞれのプルバと深いつながりを持つ尊格により異なります。
本作品に描かれているのは密教の代表的な守護尊(イダム)の一つドルジェ・プルバ(ヴァジュラキラヤ)のもので、三枚の短冊に描かれたものを1セットにしています。
背景が白色の短冊には、美しい天然顔料を用いて極彩色のプルバが描かれています。
そして朱の赤色と群青の青色を背景に塗った二枚の短冊には、プルバの設計図ともいえる伝統的な正しい寸法と各部分が象徴する密教的な意味を説明したチベット語が純金泥で書かれています。
(青い短冊に記されている密教的な意味は、シェチェン寺のトゥルク・リクズィン・ペマ師とケンポ・ツェテン・ドルジェ師のご教示に従い制作されています)
各短冊の原画サイズ:364×76mm
当商品は上記プルバ三部作の高精細複製画となります。以下を参考の上、ご注文の際に希望のタイプをお選びください。
※小さめのサイズをご希望の方は、三種類のプルバを一枚の用紙に印刷したものをA4サイズで販売しております。詳細は”Sサイズ複製画”のページをご覧ください。
伝統的なタンカの制作には非常に多大な時間を要します。
深い意味を含んだ尊格の様々に異なる複雑な様相、それを美しく飾る細密な装飾デザイン、そして無数の微細な線や点によって陰影を表現する滑らかなグラデーション。
タンカ絵師は、こういった手間のかかる緻密な作業を手早くこなしていく法を長年の経験の中から会得しますが、やはり細かく描写すればそれだけより多くの時間を費やさざるを得ません。多大な制作時間をかけることだけがタンカの品質を確実にするものではなく、時間をかけたものが良いタンカではないのですが、良いタンカを制作するには必然時間がかかるということはできるでしょう。
当サイトで複製画を販売している元となる原画の多くは、細部にわたる完璧さが全体の完成を生み出すという信念のもとに、数百時間から数千時間をかけて制作されたものです。
そのために、印刷には細部の描写を失うことのないよう滑らかで、タンカと同じようなマットな仕上げの厚手のアーカイブコットン紙を使用し、幾度も色校正を重ねて、鉱物や植物など自然界から得られる美しい色を用いて彩色されたタンカの輝きや細部の描写を余すことなく、できる限り原画に近く再現するために最善を尽くしました。
私たちの制作するタンカの複製が、仏教修行者の毎日の観想の役に立つこと、また見る人の興味を呼び覚まし、このチベット仏教の神聖な芸術を通して仏教との良縁を結ぶ一助になり得ることを願っています。