
チベット密教の荘厳な世界を描くタンカの伝統技法、カルマ・ガディ派を受け継ぐタンカ絵師西 洋児の描いた作品を、高精細・高品質で再現した複製画の販売をしています。
19世紀の最も偉大なチベット仏教の高僧であり、超宗派を推進した指導者の一人でもあったジャムヤン・ケンツェ・ワンポによって発見された修法 ”チメ・パメー・ニンティク” のタンカ。
長寿の尊格”白ターラ仏母”と”ガル・ギィ・ワンチュク”の父母尊で描かれ、”ガル・ギィ・ワンチュク”は白ターラ仏母と同じく長寿の尊格”ツェパメ(無量寿菩薩)”、または同じ蓮華部の報身”チェンレジー(観音菩薩)”と伝えられています。主尊の頭上、積雲の中にはこの埋蔵教の発掘者ジャムヤン・ケンツェ・ワンポ(ドンガ・リンパ)が描かれています。
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伝統的なタンカの制作には非常に多大な時間を要します。
深い意味を含んだ尊格の様々に異なる複雑な様相、それを美しく飾る細密な装飾デザイン、そして無数の微細な線や点によって陰影を表現する滑らかなグラデーション。
タンカ絵師は、こういった手間のかかる緻密な作業を手早くこなしていく法を長年の経験の中から会得しますが、やはり細かく描写すればそれだけより多くの時間を費やさざるを得ません。多大な制作時間をかけることだけがタンカの品質を確実にするものではなく、時間をかけたものが良いタンカではないのですが、良いタンカを制作するには必然時間がかかるということはできるでしょう。
当サイトで複製画を販売している元となる原画の多くは、細部にわたる完璧さが全体の完成を生み出すという信念のもとに、数百時間から数千時間をかけて制作されたものです。
そのために、印刷には細部の描写を失うことのないよう滑らかで、タンカと同じようなマットな仕上げの厚手のアーカイブコットン紙を使用し、幾度も色校正を重ねて、鉱物や植物など自然界から得られる美しい色を用いて彩色されたタンカの輝きや細部の描写を余すことなく、できる限り原画に近く再現するために最善を尽くしました。
私たちの制作するタンカの複製が、仏教修行者の毎日の観想の役に立つこと、また見る人の興味を呼び覚まし、このチベット仏教の神聖な芸術を通して仏教との良縁を結ぶ一助になり得ることを願っています。